介護職へのUターン転職の問題点と改善案

Uターン転職をした際、都心部とは異なり、転職先の利用者に近所の旧知の家族がいるというケースは珍しくない。長年家族ぐるみで付き合ってきた知り合いが介護サービスを受ける利用者になった場合、それまで築いてきた人間関係が微妙に変化してしまうことがある。顔見知りだから特別待遇を暗に期待してしまう、依頼者側の家族に対し、介護職員の1人として、毅然とした対応を届けることが難しくなる地元特有のしがらみは、大きな問題点のひとつと言えるだろう。

次に都心部と比較して、対象となる家屋の絶対数が少なく、それぞれの利用者宅に訪問するまでの移動距離が長くなる傾向も避けられない。少人数のスタッフで広域対応が求められる事業所も多く、利用者への介護以外の部分で、時間と労力双方の負担が大きくなることを想定しておく必要がある。こうしたUターン先である故郷での介護職への従事には、都心部とは違う、その地域独自の特徴を踏まえ、想定される問題への改善案を講じておくことが有効である。自らが地域密着で介護職に勤しむ上で、公私混同やなし崩し的な対応が許されないことを、自身はもとより家族全員が正しく理解していなければならない。次に自らも体調管理と体力増強に努める生活習慣も重要だ。転職先で介護士として長く勤務したいのであれば、都心部で働いていたときには求められなかった家族や周辺の理解と、心身のコンディションの自己管理が求められるだろう。